第60回 下水道研究発表会 開催報告
①開催概要
令和5年8月1日(火)~3日(木)に、札幌コンベンションセンターにおいて、「第60回下水道研究発表会」を開催いたしました。発表当日は、日本語口頭発表部門373編、英語口頭発表部門12編、日本語ポスター発表部門24編、英語ポスター発表部門4編の発表があり、会場での聴講者数は1,454名でした。今年も会場開催に加え、オンラインによる聴講もあわせて行いました。
②口頭発表部門
日本語発表は1日目~3日目にわたり373編の発表があり、その内訳は、「特定課題セッション」として7セッション・48編、「通常セッション」として11セッション・325編でした。(写真-1)
英語発表は3日目に行われ、「新技術(Technical Innovation)」、「計画と実施事例(Strategy and Best Practice)」、「サイエンスとテクノロジー(Science and Technology)」の3セッションに合計12編の発表がありました。
写真-1 セッション会場の様子
会場での聴講者数の多かったセッションは、表-1のとおりです。
なお、各発表者の当日のプレゼンテーション技術等について、日本語及び英語口頭発表部門ともに担当座長による審査が行われました。その後本会設置の下水道研究発表会企画運営委員会(委員長:東京大学大学院 滝沢智教授)委員による論文の内容に関する審査を行い、優秀者を発表し、後日表彰式を行う予定です。
セッション名 | 入場者数 | 開催日 | |
---|---|---|---|
1 | N-9-5 水処理技術(5) | 96名 | 8月2日 |
2 | N-9-3 水処理技術(3) | 84名 | 8月1日 |
3 | S-6-1 バイオソリッドの利活用/りん等有用資源の回収(1) | 82名 | 8月2日 |
③ポスター発表部門
ポスター発表部門は、日本語ポスター発表24編、英語ポスター発表4編の発表がありました。ポスターを会場及びホームページに掲示し、2日目の発表時間には発表者と参加者が自由に意見交換・質疑応答を行いました。その中から下水道研究発表会企画運営委員会委員、座長の審査を経て、優秀者を発表し表彰式を後日、口頭発表部門と一緒に行う予定です。(写真-2)
写真-2 ポスター発表の様子
④特別講演
1日目の11時~12時に札幌コンベンションセンター2階、小ホールにおいて、「下水道情報を活用した魅力ある地域社会づくり」をテーマに、東北大学未来科学技術共同研究センターシニアリサーチフェロー 大村 達夫氏による特別講演が行われました。当日の聴講者数は106名でした。(写真-3)
写真-3 特別講演の様子
大村先生
⑤パネルディスカッション
1日目の13時~15時に同じく札幌コンベンションセンター2階において、「下水道における産官学連携と革新的技術の普及促進」をテーマに、パネルディスカッションが行われました。コーディネーター・パネリストは、表-2のとおりです。当日の聴講者数は60名でした。 小川氏から「下水道革新的技術実証事業「B-DASH プロジェクト」の概要と成果」、藤井氏から「JSの新技術導入制度 - 技術の善循環を目指して -」、鷲見氏から「北海道の自治体における官民連携の事例」、小田氏から「革新的技術の取り入れに積極的な自治体における取り組み(唐津市)」、堀江氏から「下水道事業の持続へ技術革新を ~企業視点を含めて~」について講演が行われました。その後、新技術の技術導入に当たり、官と民のあり方について議論が行われました。 (写真-4)
コーディネーター | 東京大学大学院工学系研究科都市工学専攻教授 | 滝沢 智 氏 |
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パネリスト | 国土技術政策総合研究所下水道研究官 | 小川 文章 氏 |
日本下水道事業団ソリューション推進部次長 | 藤井 良和 氏 | |
北海道建設部まちづくり局都市環境課下水道計画係 | 鷲見 覚 氏 | |
唐津市市民環境部清掃センター所長 | 小田 信也 氏 | |
日本下水道施設業協会専務理事 | 堀江 信之 氏 |
滝沢先生
写真-4 パネルディスカッションの様子
⑥交流会
8月1日の17時30分~19時00分に、館内レストランSORA/札幌コンベンションセンター1階にて、交流会を開催しました。この交流会は、下水道技術等に関して自由に意見交換を行っていただくことを目的として、発表者、聴講者、座長、下水道研究発表会企画運営委員長等、下水道研究発表会の参加者を対象に行ったものです。研究機関、地方公共団体、海外の下水道事業者といった幅広い職種の方44名にご参加頂き、貴重な意見交換の場となりました。(写真-5)
写真-5 意見交換の場となった交流会の様子
⑦おわりに
今年の下水道研究発表会は、昨年同様、会場及びオンラインを使用したハイブリッド開催となりました。新型コロナの感染症法上の位置づけが変更となり、行動制限のない中で開催とすることができ、昨年を大きく上回る多数の発表者、聴講者の方々に会場にお越しいただきました。
最後になりますが、第60回下水道研究発表会に参加された皆さま、並びに本研究発表会に御協力いただいた関係者の皆さま方に誌面をお借りして厚く御礼申し上げます。
次回の「第61回下水道研究発表会」は、令和6年7月30日~8月1日に東京都にて開催予定です。皆さまの御参加を心よりお待ち申し上げます。