第59回 下水道研究発表会 開催報告
①開催概要
令和4年8月2日(火)~4日(木)に、東京都の東京ビッグサイト会議棟において、「第59回下水道研究発表会」を開催いたしました。発表当日は、日本語口頭発表部門298編、英語口頭発表部門8編、日本語ポスター発表部門10編、英語ポスター発表部門1編の発表があり、会場総参加者数は1,288名でした(特別講演、パネルディスカッションの聴講者数を含む)。今回は、新型コロナウイルス感染症拡大防止を考慮し、通常の会場開催に加え、オンラインによる聴講もあわせて行いました。
②口頭発表部門
日本語発表は1日目~3日目にわたり298編の発表があり、その内訳は、「特定課題セッション」として7セッション・42編、「通常セッション」として11セッション・256編でした。
英語発表は2日目と3日目に行われ、「新技術(Technical Innovation)」、「計画と実施事例(Strategy and Best Practice)」、「サイエンスとテクノロジー(Science and Technology)」の3セッションに合計8編の発表がありました。(写真-1)
写真-1 セッション会場の様子
会場での聴講者数の多かったセッションは、表-1のとおりです。
なお、各発表者の当日のプレゼンテーション技術等について、日本語及び英語口頭発表部門ともに担当座長による審査が行われました。今後行われる本会設置の下水道研究発表会企画運営委員会(委員長:京都大学名誉教授 田中宏明教授)委員による論文の内容に関する審査結果とあわせて、優秀者に対する表彰を後日行う予定です。
セッション名 | 入場者数 | 開催日 | |
---|---|---|---|
1 | N-9-3 水処理技術(3) | 67名 | 8月3日 |
2 | N-9-8 水処理技術(8) | 61名 | 8月4日 |
3 | N-1-2 経営・計画(2) | 60名 | 8月3日 |
③ポスター発表部門
ポスター発表部門は、日本語ポスター発表10編、英語ポスター発表1編の発表がありました。ポスターを会場及びホームページに掲示し、2日目の発表時間には発表者と参加者が自由に意見交換・質疑応答を行いました。その中から下水道研究発表会企画運営委員会委員、座長の審査を経て、優秀者の表彰式を3日目に行う予定でしたが、会場内での密接状態を避けるため中止しました。後日、口頭発表部門の表彰式と一緒に行う予定です(写真-2)。
写真-2 ポスター発表の様子
④特別講演
1日目の11時~12時に東京ビッグサイト会議棟1階、レセプションホールAにおいて、「未来型の都市雨水管理に向けて」をテーマに、中央大学研究開発機構 機構教授 古米 弘明氏による特別講演が行われました。当日の聴講者数は198名(ライブ配信の聴講者含む)でした。(写真-3)
写真-3 特別講演の様子
⑤パネルディスカッション
1日目の13時~15時に同じくレセプションホールAにおいて、「下水道事業における脱炭素化への挑戦」をテーマに、パネルディスカッションが行われました(写真-5)。コーディネーター・パネリストは、表-2のとおりです。当日の聴講者数は134名(ライブ配信の聴講者含む)でした。
初めに田隝氏から「脱炭素社会に貢献する今後の下水道政策」、宗吉氏から「東京都の下水道事業におけるエネルギー・地球温暖化対策の現状と課題」、新川氏から「脱炭素社会実現へ貢献する「JS新技術」」、佐野氏から「富士市下水道事業における脱炭素化に向けた取組について」、佐藤氏から「恵庭市公共下水道事業における資源有効利用・脱炭素につながる取り組み」について講演が行われました。
その後、脱炭素社会実現に向け、各自治体が抱えている課題等について意見交換が行われました。(写真-4)
コーディネーター | 国土交通省 水管理・国土保全局下水道部 下水道企画課 下水道国際・技術室長 |
田隝 淳 氏 |
---|---|---|
パネリスト | 大阪市建設局 下水道部 事業計画担当課長 | 原田 俊崇 氏 |
東京都下水道局計画調整部計画課 エネルギー・温暖化対策推進担当課長 |
宗吉 統 氏 | |
日本下水道事業団技術開発室総括主任研究員 | 新川 祐二 氏 | |
富士市上下水道部下水道施設維持課統括主幹 | 佐野 和史 氏 | |
恵庭市水道部下水道課主査 | 佐藤 洋介 氏 |
写真-4 パネルディスカッションの様子
⑥おわりに
今年の下水道研究発表会は、昨年同様会場及びオンラインを使用したハイブリッド開催で行われました。今年は座長、発表者は会場のみの参加で、聴講者は会場及びライブ配信での参加となりました。コロナ禍で交流会も中止となり、体調不良による発表辞退や代理発表もありましたが、大きな混乱もなく、多くの方に発表を行っていただくことができました。これもひとえに参加された皆さま方の多大なる御理解、御協力の賜物と考えております。
最後になりますが、第59回下水道研究発表会に参加された皆さま、並びに本研究発表会に御協力いただいた関係者の皆さま方に誌面をお借りしてあつく御礼申し上げます。
次回「第60回下水道研究発表会」は、令和4年8月1日~3日に札幌市にて開催予定です。皆さまの御参加を心よりお待ち申し上げます。