第52回 下水道研究発表会 開催報告

①開催概要

平成27年7月28日(火)~30日(木)に、東京ビッグサイトにて、「第52回下水道研究発表会」を開催しました。 今年は、口頭発表セッション330編、ポスター発表セッション16編の計346編の発表があり、 総聴講者数は1,984名でした(特別講演、パネルディスカッション等を含む)。

②口頭発表セッション

口頭発表セッションは、330編の発表があり、その内訳は「特定課題セッション」として8セッション・76編、 「通常セッション」として12セッション・254編でした。
聴講者数の多かった上位セッションは、以下の表の通りでした(写真-1)。


写真-1 口頭発表の様子

聴講者数の多かった上位セッションは表-1の通りで、水処理技術のセッションに集中し、注目が集まりました。
各発表者の当日のプレゼンテーション技術等については、担当座長による審査を得ましたので、 今後本会設置の下水道研究発表会企画運営委員会(委員長:京都大学大学院工学研究科 田中宏明教授)の 委員による論文の内容に関する審査結果と併せて、優秀者に対する表彰を後日行う予定です。

表-1 聴講者の多かった口頭発表セッション
  セッション名 入場者数
1 N-9-5 水処理技術(5) 162名
2 N-9-3 水処理技術(3) 150名
3 N-9-1 水処理技術(1) 142名
3 N-9-4 水処理技術(4) 142名
5 N-9-2 水処理技術(2) 126名

③ポスター発表セッション

ポスター発表セッションは、16編の発表がありました(写真-2)。 その中から下水道研究発表会企画運営委員会の委員と第2日目(7月29日)に来場された 口頭発表セッションの各座長の審査を経た後、厳格なる審議の結果、最優秀賞1編、優秀賞2編が 表の通り選出されました。各賞の結果は、表-2の通りです。

表-2 第52回下水道研究発表会 ポスター発表セッション 審査結果
発表題名 所属 受賞者氏名
最優秀賞 「煉瓦下水道場」の設立と仙台市における新たな人材育成の取組み 仙台市 青田 由希雄 氏
優秀賞 温室効果ガス排出量からみたAO法とAO法の比較 東北大学大学院  神山 和哉 氏
NADH風量制御を利用した嫌気無酸素好気法に関する共同研究 (株)九電工 福田 貴子 氏

また、ポスター発表セッションの表彰式を7月30日の11時45分~12時に 会議棟6Fロビー(ポスター発表会場)で行い、田中委員長から各受賞者へ表彰状が授与されました(写真-3)。 表彰式の様子は、本号グラビアでも写真を掲載していますので、ご覧下さい。


写真-2 ポスター発表の様子


写真-3 ポスター発表セッション表彰式の様子

④特別講演

7月28日の11時~12時に、会議棟1FレセプションホールAにて東京大学・政策研究大学院大学教授の 家田仁氏による特別講演が行われました。
テーマは「進化する都市インフラの将来展望」で、来場者は178名でした。 クオリティ・インフラとしての下水道の未来に期待するという視点で、 ①下水道の現状をどう見るか?②他分野や日本のイノベーション事例③今後のインフラビジネスの展開などについて、 ご講演いただきました(写真-4)。


写真-4 特別講演の様子

⑤パネルディスカッション

7月28日の13時~15時に、同じく会議棟1FレセプションホールAにて、 「持続的発展が可能な下水道の実現に向けた取り組み」というテーマで パネルディスカッションが行われました。来場者は242名で、平成26年7月に策定された 『新下水道ビジョン』をふまえ、下水道の持続的発展に向けて、国からは下水道法等の改正内容、 自治体からはヒト・モノ・カネの課題と今後の取り組みや、県と市町村との連携事例、 JSからは支援・代行機関としての取り組み、国総研からは下水道技術ビジョンの役割、 市民代表からは市民から見た下水道と今後の広報活動の展開について発表が行われ、 今後下水道を持続的に発展していくために、何が重要となってくるかについて、ディスカッションが行われました。
コーディネーター・パネリストは、以下の表-3の通りです(写真-5)。

表-3 パネルディスカッションのコーディネーターとパネリスト
  所属 氏名
コーディネーター 東京都市大学都市工学科教授 長岡 裕 氏
パネリスト 国土交通省水管理・国土保全局
下水道部下水道事業課企画専門官     
本田 康秀 氏
国土技術政策総合研究所
下水道研究部下水道研究官
榊原 隆 氏
東京都下水道局流域下水道本部本部長 坂根 良平 氏
秋田県建設部下水道課主幹 工藤 守 氏
日本下水道事業団技術戦略部部長 畑田 正憲 氏
水と環境の未来研究所 小林 由夏 氏


写真-5 意見交換の場となった交流会の様子

⑥交流会

7月23日の17時30分~19時30分に、会議棟8Fレストランアルポルトにて交流会を開催しました。 この交流会は、下水道の技術や経営等に関して自由に意見交換等を行っていただくことを目的として、 発表者、聴講者、座長、下水道研究発表会企画運営委員会委員等、下水道に関わる業務・研究等に携わる 全ての方々を対象に行ったものです。研究機関、地方公共団体、民間企業といった幅広い職種の方にご参加頂き、 貴重な意見交換の場となりました(写真-6)。


写真-6 意見交換の場となった交流会の様子

⑦おわりに

今年は、例年口頭発表と並行で開催していたパネルディスカッションをプログラムを調整し単独で行いました。 そのような事情も重なってか例年よりも多くの方(242名)にご来場いただきました。 口頭発表には、昨年から設けました1日券により、最終日の午後からも当日参加で来場される方もありました。 次年度以降もますますの活性化を進めるべく運営に務めて参ります。
最後になりますが、第52回下水道研究発表会にご参加された皆様、 並びに本研究発表会にご協力いただいた関係者の皆様方に誌面をお借りして厚く御礼申し上げます。 次回の「第53回下水道研究発表会」は、平成28年7月下旬に名古屋市にて開催いたします。 来年度のご参加もお待ちしております。