第54回 下水道研究発表会 開催報告

①開催概要

平成29年8月1日(火)~3日(木)に、東京ビッグサイト会議棟において、「第54回下水道研究発表会」を開催しました。発表当日は、口頭発表セッション359編、ポスター発表セッション15編、英語セッション38編、計412編の発表があり、総聴講者数は2,145名でした(特別講演の聴講者数を含む)。

②口頭発表セッション

口頭発表セッションは、359編の発表があり、その内訳は、「特定課題セッション」として7セッション・61編、「通常セッション」として11セッション・298編でした(写真-1)。


写真-1 口頭発表の様子

聴講者数の多かった上位セッションは、表-1の通りで、水処理技術のセッションに集中し、注目が集まりました。
各発表者の当日のプレゼンテーション技術等については、担当座長による審査を得ましたので、今後本会設置の下水道研究発表会企画運営委員会(委員長:京都大学大学院工学研究科 田中宏明教授)の委員による論文の内容に関する審査結果と併せて、優秀者に対する表彰を後日行う予定です。

表-1 聴講者の多かった口頭発表セッション
  セッション名 入場者数 開催日
1 N-9-1 水処理技術(1) 138名 8月2日(水)
2 N-9-4 水処理技術(4) 150名 8月2日(水)
3 N-9-2 水処理技術(2) 130名 8月1日(火)
4 N-9-3 水処理技術(3) 125名 8月1日(火)
5 N-4-5 地球温暖化/省エネ対策(5) 124名 8月3日(木)
6 N-4-1 地球温暖化/省エネ対策(1) 109名 8月2日(水)
7 N10-3 汚泥処理技術(3) 105名 8月2日(水)
8 N10-2 汚泥処理技術(2) 101名 8月3日(木)

③ポスター発表セッション

ポスター発表セッションは、15編の発表がありました(写真-2)。
その中から下水道研究発表会企画運営委員会の委員と第2日目(8月2日)に来場された口頭発表セッションの各座長の審査を得た後、厳正なる審議の結果、最優秀賞1編、優秀賞2編が選出されました。各賞の結果は、表-2の通りです。

表-2 第54回下水道研究発表会 ポスター発表セッション 審査結果
発表題名 所属 受賞者氏名
最優秀賞 多様な主体と協働した堺市の下水道広報 堺市 郷田 秀章 氏
優秀賞 沖縄県における再生水利用作物に対する消費者の購買意欲の推定 京都大学大学院  由藤 聖利香 氏
ウキクサを介した下水処理水からのバイオエネルギー生産 東北大学 岩野 寛 氏

また、ポスター発表セッションの表彰式を、8月3日の11時45分~12時に、6Fロビー(ポスター発表会場)で行い、田中委員長から各受賞者へ表彰状と記念品が授与されました(写真-3)。


写真-2 ポスター発表の様子


写真-3 ポスター発表セッション表彰式の様子

④特別講演

8月2日の12時30分~13時30分に、1F 会議棟レセプションホールAにて、水環境&再利用財団の最高経営責任者(CEO)Ms Melissa L. Meeker氏による特別講演が行われました。テーマは、「米国における分流式汚水管の溢水対策ついて」で、来場者は225名でした。同財団の実務部門のトップを務めていることから、これまでの洲での政策経験や財団での最新の研究成果などを基に米国における下水道事業の動向、これから下水道に求められる視点、日本の下水道界に期待する技術ポイントなど幅広い視点から講演いただきました(写真-4)。


写真-4 特別講演の様子

⑤英語セッション

今回、海外水ビジネスに取り組む下水道界の人材育成や諸外国との交流などを目的に英語セッションを新設しました。
英語セッションには、口頭発表とハイブリッドポスター発表があり、口頭発表は、15分の発表と5分の質疑に至るまでの全編を英語行い(写真-5)、ハイブリッドポスター発表は3分間の口頭発表を行ったのち、発表者と参加者が自由に質疑応答や意見交換を行う形式で行いました(写真-6)。
発表数は、38編でその内訳は、口頭発表27編、ハイブリッドポスター発表11編でした。


写真-5 口頭発表の様子


写真-6 ハイブリッドポスター発表質疑応答の様子

⑥交流会

8月2日の17時30分~18時30分に、アルポルト(東京ビッグサイト会議棟8F)にて、交流会を開催しました。この交流会は、下水道技術等に関して自由に意見交換を行っていただくことを目的として、発表者、聴講者、座長、下水道研究発表会企画運営委員等、下水道研究発表会の参加者を対象に行ったものです。研究機関、地方公共団体、海外の下水道事業者といった幅広い職種の方にご参加頂き、貴重な意見交換の場となりました。参加者は、69名でした。(写真-7)。


写真-7 意見交換の場となった交流会の様子

⑦おわりに

今年は、英語セッションを初めて実施し、不慣れなことで心配しておりましたが、無事に終了することが出来ました。
来場者も会員の方だけでなく非会員の方や海外からの来場者もあり、盛大に開催することができました。
次年度以降もPRに努めてますますの活性化を進めるべく運営に務めて参ります。
最後になりますが、第54回下水道研究発表会にご参加された皆様、並びに本研究発表会にご協力いただいた関係者の皆様方に誌面をお借りして厚く御礼申し上げます。次回の「第55回下水道研究発表会」は、平成30年7月下旬に北九州市にて開催いたします。来年度のご参加もお待ちしております。