下水道のFAQ
下水道普及率
行政区域内の総人口に占める処理区域内人口(下水道利用人口)の比率のこと。百分率で表します。
なお、汚水処理人口普及率には、下水道の他、農業集落排水施設や合併処理浄化槽、コミュニティ・プラント等も含まれます。
令和4年度末における全国の下水道処理人口普及率は81.0%となっています
(ただし、福島県の1県は東日本大震災の影響で調査ができない市町村があったため、今年度は一部を調査の対象から外しています)。都道府県別の下水処理人口普及率についてはこちらをご覧ください。
令和2年度末における全国の汚水処理人口普及率は92.1%ですが、一方で約990万人が下水道をはじめとした汚水処理施設を利用できない状況にあります。
とくに人口5万人未満の市町村では、汚水処理人口普及率は81.9%に留まっています。
下水道をはじめとした汚水処理施設が整備されていない地域では、水洗トイレが利用できない他、台所やお風呂で使った生活雑排水が海や川へそのまま流れてしまい、地域へ悪影響を及ぼします。
下水道料金
下水道使用料は、上水道の使用水量を基準に算定しています。
下水道料金の計算方法は、お住まいの地域によって異なります。自治体ごとに下水道使用料や料金に違いがあるので、お住まいの地域にお問合せください。
下水道料金は、上水道の料金と一緒に請求されるケースが一般的です。ただし、自治体によって請求のシステムが異なる可能性もあるので、お住まいの地域にお問合せください。
快適な生活と下水道
下水道管の寿命は約50年と言われています。平成28年度末現在、日本の下水道管の総延長は約47万キロメートルですが、このうちの約1.4万キロメートルが法定耐用年数を超えています。早くから下水道の整備がすすめられた都市圏では、下水道管の寿命が近づいているのです。
下水道管が老朽化すると、地盤がゆるみ道路陥没を招きます。下水道に起因する道路陥没が全国で年間3,000件~4,000件発生しており、全国の自治体では、老朽化に対応するために計画的な改築・更新を行っています。
下水道管に下水を流す方法に、合流式と分流式があります。
【合流式】汚水と雨水を同じ下水道管に流す方法
【分流式】汚水と雨水を別々の下水道管に流す方法
自然環境と下水道
高度処理とは、通常の下水処理よりもさらにきれいに処理をする方法です。東京湾などの閉鎖性海域では海水の入れ替わりがおきにくく、生活排水や工場排水が大量に流入します。これらの排水には窒素やリンが含まれるため、湾内の富栄養化により赤潮が発生し、水質を悪化させます。こうした状況を改善するために、高度処理を行い窒素やリンを減らしています。
資源・エネルギーと下水道
下水処理の過程で発生した汚泥は貴重な資源。セメント原料や建築資材などに利用されたり、農作物の肥料として利用されたり、固形燃料として利用したり、バイオガスを発生させて発電や天然ガス自動車の燃料として利用しています。
昨今では、バイオガスから水素を作りだして燃料電池自動車の燃料にする世界初の取組みや、下水道資源を有効利用して農作物を作るBISTRO下水道という活動など、下水道は大きな資源・エネルギーポテンシャルを保有しています。
下水汚泥の有効利用に関する詳しい情報は、下水汚泥とリサイクルをご覧ください。
下水処理水は川や海に戻すだけでなく、公園のせせらぎ用水として利用したり、トイレの洗浄に利用したり、雪を解かす水として利用したり、電車の洗浄に利用したり、様々なところで利用されています。
災害と下水道
都市では道路(アスファルト)や宅地の増加に伴い緑地や空き地が減少し、雨水が地面に染み込みにくくなっています。そこにゲリラ豪雨のような短時間で局地的に大量の雨が降ると、行き場を失った雨水が地表にあふれて建物や土地・道路が水に浸かってしまうばかりか、地下街や地下室に流れ込む被害も増えています。
昨今では気候変動の影響もあり、1時間あたりの降水量が50mmを超える豪雨の発生件数が増えているため、地面の排水能力が追い付かない状況になっています。
下水道は、街が水浸しにならないように雨水を素早く集めて川や海に流す役割を担っています。雨水を一時的に貯めておく雨水貯留浸透施設や雨水貯留管や雨水ポンプ場を作ったりし、浸水に強い街づくりを進めています。
大きな地震で下水道管やマンホール、下水処理場などの下水道施設が壊れてしまうと、トイレを使うことができなくなります。また、地震による地盤沈下でマンホールが道路に飛び出してしまい、車や歩行者が通れなくなる場合があります。
下水道管は地下にあるため、被害を受けると復旧に時間がかかります。阪神・淡路大震災においては、下水道は他のライフライン(電気、ガス、水道)よりも復旧が大幅に遅れてしまいました。
下水道の地震対策は重要な課題です。下水道施設を地震に強くすることはもちろんのこと、万が一地震によりトイレが使用することができなくなった場合に備えて、仮設トイレやマンホールトイレの設置等の対策を進めています。